Martin OOO-28


神奈川県にお住まいのK.N.さんからMartin OOO-28のリペアご依頼をいただき、フレットすりあわせと弦周りのTUSQ化、および塗装タッチアップ(ヘッド部裏側)を行いました。
リペア後のギターを受け取られて、K.N.さんから暖かいメッセージが届きました。


ギター工房オデッセイ 樋口様

昨日ギターを受け取り、さっそく弾いてみましたが、音の立ち上がりが凄く良くなりました。

サドルもナットも消耗品なので、その時期を見計らってまた予約のご連絡をさせていただきたいと思いますので、その時はよろしくお願いします。

このギターはいわゆるバースイヤーというやつで、1976年製です。

ギター共々まだまだ若いと思っておりますので、あと45年は弾き続けたいなと思っています。

樋口様もお身体には十分気を付けていただき、これからもたくさんの方に素晴らしいギターが届くことを願っております。

この度は、ギターのリペアをしていただき、ありがとうございました。


K.N.さん、早速の暖かいメッセージをいただき、誠にありがとうございました。

リペア前のフレットは弦方向ラインに凹凸が見られましたので、すりあわせの効果が大きく見られたのと、弦周りをTUSQ化したことにより本来のギターの鳴りを引き出すことが出来ました。
リペア後の試奏ではOOO-28の素晴らしい音色を楽しませていただきました。

これからもギターと同じ歳を重ねて、素晴らしいギターライフをお送りください。
またギターメンテナンス時期にはお気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。

この度は弊工房にリペアのご依頼をいただき、本当にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

 
フレットすりあわせ


1.マスキングテープでフィンガーボードを保護します。



2.ボディもアクリル板でカバーしました。


3.直定規を乗せて、フレット山が凹んでいる箇所にマークを入れます。


4.マークされた部分を中心にフラットファイルでサンディングします。


5.平らになったフレット山を専用のヤスリで丸くしていきます。


6.紙ヤスリ(#400)で粗研磨します。


7.さらにスチールウールで研磨を進めます。

8.最後はコンパウンドで磨き上げます。

9.プロテクタ類を外しましょう。

10.ピカピカのフレットになりました。
ナット交換


1.オリジナルナットです。


2.当て木を当ててコンとたたきます。
 
ナット取り外しの様子です。

3. ナットを取り外したナット溝です。古い接着剤の跡が薄く残っています。

4.ナット溝のクリーニングを行います。古い接着剤と汚れを削り取っていきます。

5.クリーニング完了したナット溝です。

6.ネック幅に合わせてナットスラブを切り出します。

7.フラットファイルを使ってナットの平面を削り出します。

8.ナット溝にピッタリはまるようになりました。

9.1弦側からもナットの密着を確認します。


10.逆光を利用すると密着度の確認が効率的に行えます。


11.ナットのサイドもこの段階で面取り加工しておきます。

12.目視および指で触ってネック、フィンガーボードと段差のないことを確認しておきます。

13.フレットの高さに合わせてケガキ線を入れます。

14.ナット上部を切り取りました。

15.ヘッド側に放物曲面を削り込んでいきます。

16.
ナットらしくなってきました。

17.目標の弦溝位置を読みとります。(1弦と6弦の位置で他の弦の位置が決まります)

18.
弦溝位置を新しいナットに書き込みます。

19.弦溝を専用のヤスリで彫り込んでいきます。


20.弦高調整前のナットです。


21.弦を張って弦高調整を行います。2フレットを指で押さえて1フレットと弦の隙間がギリギリに下がるまでナット高を下げます。

22.ストリングリフターで弦を待避させて、ナット溝を徐々に下げていきます。

23.ナット高調整前の弦溝です。


24.弦高調整後のナット弦溝です。


25.他の弦も同じ要領で調整しました。弦高調整後のナットです。

26.ナットと弦の接触面積と角度を最適化することによってギターの音色は大きく変わります。
ピッチ調整〜サドル作製



1.サウンドホールにチューナー、サドル位置にイントネーターを取り付けました。



2.すべてのフレットのピッチを確認していきます。ピッチがずれている場合は、イントネーターのサドルピーク位置を調整します。

3.サドル山位置を書き写していきます。

4.サドル溝に合わせてサドルスラブを切り出します。

5.サドルの底はフラットファイルで平面をつけていきます。

6.サドル溝にピッタリはまるように加工できました。

7.サドルの端も溝にピッタリはまっていることを確認します。

8.ピッチ調整時に確認したサドル高をサドルに書き込んでいきます。

9.サドル高の切り出しを終えました。

10.サドル上部にピーク位置を書き写します。

11.サドルピーク位置を削りだしていきます。

12.ブリッジピン穴加工を行います。まず、糸鋸で弦の導出口をサドル側へ引き寄せます。

13.さらにミニルーターで弦の導出角度をつけていきます。

14.ブリッジピン穴加工を終えました。

15.サドルを取り付けました。

16.完成したブリッジとサドルです。
塗装タッチアップ



1.ヘッド部裏側のダイヤモンド部分です。



2.少し深めの打痕跡があります。

3.ラッカーを塗っていきます。

4.数回繰り返してラッカーが盛り上がるようになりました。

5.安全カミソリ(ミニスクレイパー)で盛り上がったラッカーを削り取っていきます。

6.凹み部分をラッカーで埋めました。

7.水研磨を行いました。

8.ほとんど傷は目立たなくなりました。
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