Morris W-80


大阪府にお住まいのY.N.さんから前回のMartin HD-28に引き続き、Morris W-80のリペアご依頼を受けました。

フレットの打ち直し、弦周りのTUSQ化です。

1970年代製造のものと予想されます。
ボディ・ネックの素材は非常に贅沢なものを使用しておりますので、今回のリペアで「劇的」な変化ができ、見事に蘇ることができました。

リペア後、Y.N.さんから下記のメッセージをいただきました。
Y.N.さん、ありがとうございました。


Morris ギター、無事受け取りました。

音量がアップし、かつクリアな音になっていて驚きました。

調整前後の化け方は前回のHD-28より大きいですね。
楽器の潜在能力を引き出してもらった感じです。

これからもライブで使用していきたいと思います。

どうもありがとうございました。

装着弦の待避・ナット溝のクリーニング



1. まず、リペア前の弦をリペア後にも問題なく使用できる様に、
ネック部に待避させます。



2. ナットを取り除いた後です。古い接着剤が残っています。
これを彫刻刀で削り落としていきます。

3. これで、ナット溝がきれいになりました。
フレット交換(打ち直し)



1. ドライヤで暖めながら、フレットを順に抜いていきます。



2.  長年の汚れがなかりたまっていますね。

3.  軽くサンドペーパーでこすります。

4. かなりフィンガーボードが乾燥している状態ですので、 オレンジオイルを少量かけ、薄く延ばします。

5. 一昼夜おいた後のフィンガーボードです。

6. フレット溝よりも少し長目にフレットをカットします。

7. こちらがバインディング加工する前のフレットです。

8. ミニグラインダでフレット端のタング部分を軽く削ります。

9. バインディング加工できました。

10. 両端を同じように加工してタング部分を処理します。

11. フィンガーボードに合わせてRをつけていきます。

12. フィンガーボードにフィットすることを確かめて・・・。

13. 打ち込みます!


14. 順に打ち込んでいきます。


15. 15フレットより先に進むときは、あらかじめボディ内に
ジャッキを入れ、保護します。

16. フィンガーボードからはみ出たフレットをカットしていきます。
小さな金片なので、失うとギターに傷を付けたり、手足に刺さったりますので失わない様にします(金属の蓋で受けています)。

17. フレットサイドのスロープを専用のファイルでつけていきます。

18. 次はフレットすり合わせを行います。その前の準備としてフィンガーボードをマスキングテープで保護します。

19. フレットだけ露出する様に、フィンガーボードを隠す様に、
丁寧にマスキングしていきます。

20. ロング・フラット・ファイルでフレット頭が平面上に並ぶ様に
削っていきます。

21. フラットにできたところで、一旦掃除機で金属粉を
吸い取ります。

22. フレット頭を丸める専用のヤスリでファイリングしていきます。

23. 紙ヤスリで粗削りな部分をなめらかにしていきます。

24. 全てのフレットをコンパウンドで磨いた後、マスキングテープとボディ保護用アクリル板をはずします。

25. フレット交換が完了しました!

26. こちらが新しいフレットのアップ写真です。ピカピカです!
ナット作製

1. オリジナルナットとTUSQスラブです。


2. 底面と側面(フィンガーボード側)を完全に平面にファイリングした後、
徐々にオリジナルの形状に合わせていきます。


3. ペグ側の傾斜がつけられたところです。
サイドはまだ未加工状態です。

4. オリジナルナットに合わせて弦溝位置をマーキングしました。

5. 実際に溝を掘る前にマーキング位置が正しいかを
専用のゲージで確認します。(String Rulerという定規です)

6. 弦溝を掘ります。掘りすぎない様に、徐々に加工していきます。

7. 粗削り状態のナット完成です。
後の弦高調整の段階で弦溝の深さを微調整します。
サドル作製

1. オリジナルサドルと粗削り出しを行ったTUSQスラブです。

2. サドル溝の中も長年の汚れがたまっていたのでクリーニングしました。

3. こちらがクリーニング後のブリッジです。サドル溝がきれいになりました。
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